共謀罪法案は廃止!の請願が否決
昨日は熊谷6月市議会の最終日でした。有志から出された請願が否決となりました。小鹿野町など共謀罪NOの意見書が上がったのに、残念です。意見書を上げることに賛成は、共産党市議団大山と私、民進党の腰塚議員、社民党の千葉議員、そして、採決時に退席は栗原議員と松本(貢)議員でした。
請願否決の討論に公明党が立ちました。審議が不十分というが、「民進党と共産党が問責決議などを上げるからだ」「テロ対策には必要だ」「治安維持法と同じだというが、全く違う」などの発言がありました。
私たちの討論要旨は以下の通りですが、採決しなかった参議院の委員会委員長は公明党議員であったことをどう説明するのでしょうか。
「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規則等に関する法律等の一部を改正する法律案に反対する意見書」の提出を求める請願に賛成し、討論!
- ●またもや強行採決
- 安倍政権は、参議院での審議を行わない「中間報告」という異常な禁じ手を使って、自民党、公明党による「共謀罪法案」の強行採決を行いました。数の力を利用したこうしたやり方は、議会制民主主義を真っ向から否定するものです。
- ●TOC条約とは関係がない
- 政府の説明の中に、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結に不可欠だ、という事がありました。TOC条約はマフィアなどの国際的な組織犯罪の取り締まりを目的にしたものです。政府は日本の法律の中で義務を果たし、現行法で条約に入れば良いのです。国際組織犯罪対処の措置はすでにありますので、今さら理由に挙げるのはどうでしょうか。
- ●テロ対策でない、内心の自由を奪うもの
- 国会に提出された法案を印刷した冊子には、「組織的犯罪処罰法改正案」と書かれており、「テロ等準備罪」とは、「政府の呼称」にすぎません。「東京オリンピック・パラリンピックの成功のために、テロ対策を進めるための法整備」と説明してきましたが、「テロ」とは無関係の犯罪を多く含んでいます。「テロ対策」に限定した法整備ではなく、幅広い277の犯罪リストを「組織的犯罪集団」が実行しようと共謀・計画した段階で処罰するという内容となっています。
- ●憲法違反
- 憲法では19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」 21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあります。憲法違反でもあるのです。
- ●監視社会に
- 共謀罪の対象は、組織的犯罪集団だとしていますが、「私たちは組織的犯罪集団です」とわかるように行動している集団はいません。「正当な目的で活動する団体でも、変質して組織的犯罪集団となる場合がある」と国会での説明もありました。組織的犯罪集団かどうか見極めるために、日常的に市民が法律に違反する行為を話し合っていないか監視することになります。SNSのチェック、監視カメラ、密告など強化されるでしょう。
- ●一般人に関係する罪と本当の狙い
- 政権とぶつかっている原発反対、沖縄の基地反対など運動している人たちがまずは対象になるのでしょうか。277の罪の中には、テロとは程遠い、一般の人にもかかわるかもしれない罪がたくさんあります。例えば、偽りにより所得税を免れる行為等の罪、所得税の不納付の罪、重要文化財の損壊等の罪、議員に関係する公職選挙法違反・多数人買収罪もあるのです。本当の理由は、『逆らうものはみんな捜査対象にする』という事ではないでしょうか。石破氏が国会前に集まっている市民を「テロ集団だ」と言いました。政府に対し意見を出すものの内心を処罰し、市民運動を委縮させることこそ本当の狙いです。
秘密保護法、安保法制=戦争法、そして今回の「共謀罪法」、どれもが憲法を踏みにじった違憲立法であり、そのすべてが「海外で戦争をする国」づくりのためのものです。この3つをそろって廃止することこそが、立憲主義、民主主義、平和主義を日本に取り戻す道だと考えます。日本共産党市議団は市民の皆さんと力を合わせて、共謀罪廃止を求め続けるものです。 |
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(「桜井くるみ日本共産党熊谷市議ブログ」6月22日付より)
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