岩手県遠野市「学校給食の現状と総合給食センター」を視察
2018年7月10日(火)大山議員と視察に行きました。
視察の目的
熊谷市の学校給食の実態は、合併前のセンター方式と自校方式を継続して行っている。日本共産党会派は、自校方式を提案してきたが、いったん公約に組み込んだ市長も、昨年の市長選では公約に入れなかった。公共施設アセットマネジメントの具体化の中で、学校そのものの存続も検討課題に上がっている。
給食の無料化とも合わせ、今後、給食の形態について議員団としてはどう政策提言をしていくのが良いか、検討すべきであると考えた。遠野市では学校給食センターが一つであるが、多機能化した使い方をしているというので視察先に選んだ。
遠野市学校給食センター検討の経緯と整備
遠野学校給食センター、宮森学校給食センターともに老朽し、立替えが必要となったことから、学校給食についての在り方について検討が始まった。その際、2つのセンターを統合し、1つのセンターを作ることとした。他方で、人口減の中、児童・生徒数も減少が予測されるため、将来的にも使える施設にするために、検討を重ねた、とのことだった。
施設の現況と実施事業
学校給食センターとして生徒に給食を提供する
●1日2500食の調理能力・・炊飯機能あり、アレルギー食対応
●学校給食衛生管理基準HHACCP(ハサップ)方式、ドライシステムをとり、安心安全な給食を提供。
総合食育推進
●2階に食育推進室(会議室)・調理室を設け、栄養士を中心に食育推進を行っている。市民全員対象。
●給食の試食も活発に行われ、老人会での例もある。味の濃さなども確認でき、家庭での食事の参考にしてもらえる。
●2階から給食センターを見学できるようになっている。
●総合食育推進課が新設され、教育、福祉、農林など各分野で個別に行っていた食育推進の取り組みが、センターを拠点として連携して推進されるようになった。
防災対応
●災害時にも復旧しやすいオール電化、停電時にも電気釜が連続3日間使用できる非常用発電設備を整備。一日約7,500個のおにぎりが調理可能。
高齢者向け配食サービス
●学校給食の調理エリアとは完全に区分けし、社協やボランティア団体と連携して行っている宅配弁当(週3回)の調理エリアが設けられている。将来に向けて、高校や福祉施設への給食やカット野菜等の提供を検討していくとのこと。
視察を終えて
「食」は私たちの命・健康を保つ上でとても大切なものである。
子ども時代に限っても、学校での食事(給食)が重要視される背景に、朝食をとれない子どもや孤食の子どもが増えていることがある。現に、一日のエネルギーとなる朝食について、「朝ご飯を食べよう」と教育委員会は呼び掛けている。また、子ども食堂が注目され、一人で食べる子ども、食事をとれない子どもに対し、市民ボランティアが提供している例もある。高齢者向けには、弁当の宅配サービスも継続され、命・健康を維持するための取り組みが行われている。
また、安心安全な食材を提供しよう、地元のものを使った調理を普及しようという団体も数多くある。
熊谷市では、少子高齢化のために公共施設のアセットマネジメント計画があり、統廃合がこれから進んでいく。公共施設の面積で言うと学校が最も大きい。熊谷市の給食は、合併前のまま継続しているため、旧熊谷と旧江南はセンター方式、旧妻沼と旧大里は自校方式となっているが、これまですべてを自校方式にするよう提案してきた。学校の統廃合は住民とともにその方向を決定していくことが当然であるが、給食の在り方もそのなかで総合的に考えていく事が必要でないだろうか。給食を学校の範囲内で考えるのではなく、遠野市のように、命と健康を守る機能に発展させる必要があると思う。食育、福祉、農業、産業をつなげることができると素晴らしいと思った。
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(「桜井くるみ日本共産党熊谷市議ブログ」8月11日付より)