6月議会一般質問より 県単位化に伴う税率改定で国民健康保険税の税額を引き上げることがないよう市は努力を
6月議会一般質問の報告を行います。
県単位化に伴う税率改定で国民健康保険税の税額を引き上げることがないよう市は努力を
国民健康保険は、昨年まで各市町村が単独で運営していましたが、今年度から「市町村と都道府県が共同で運営する制度」となりました。新制度に変わっても、国民健康保険税の額を決め、住民から税を集めるのは、引き続き市町村の仕事です。
埼玉県内では、今年度63自治体のうち30自治体が国保税の改定を行い、うち13自治体が賦課方式を従来の4方式(所得割、資産割、均等割、平等割)から2方式(所得割、均等割)に改訂しました。熊谷市は、今年度は従来どおりとし、来年度から2方式への変更も視野に入れて保険税率を検討しています。今でも高くて払いきれないと悲鳴が上がっている国保税を、これ以上あげないようにと望むものです。
1、加入世帯「30619世帯」の実態
総所得200万円以下の世帯は24164世帯、78.9%、うち滞納世帯は2280世帯
総所得200万以上の世帯は6455世帯、21.1%、うち滞納世帯は424世帯
2、一人当たりの保険税額は
平成29年度額 85396円だが、県が示した額は 94213円
3、県が示した今年度の保険料率
医療費分 所得割5.99%、均等割34050円
後期高齢者支援金分 所得割2.35%、均等割13318円
介護納付金 所得割1.96%、均等割14600円
4、県の国保運営方針と熊谷市の対応
国保運営方針の目的は、医療費適正化の一層の取組と市町村とともに赤字の解消・削減で、熊谷市も、保険税の適正化・法定外繰入金の削減を図り、赤字解消を目指して平成31年3月末までに計画を策定。
5、保険税改定のスケジュールと方向
国民健康保険運営協議会に諮り、県内統一を見据えて、適切な賦課方式を決定していく。
6、全国知事会も指摘する国保の構造問題とは
加入者の年齢構成が高いこと(熊谷市、4割以上が65歳以上)
低所得者が多いこと(熊谷市約半分の世帯が軽減世帯)
財政基盤が弱い
7、主な保険の所得に占める負担割合と一人当たりの平均所得は
協会けんぽ7.6% 145万円
組合健保5.8% 211万円
市町村国保10.0% 84万円
8、県が示した標準保険税率は2方式。応益割は40歳から64歳で一人暮らしの場合45,100円だが、標準保険税率では61,968円になる。赤ちゃんが生まれ家族が増えると、47,368円国保税が上がる。とんでもない税額だ。応能と応益の割合の違いは。
平成29年度の市は、応能68対応益32。県が示す賦課割合は応能50対応益50。
9、応益割合いを増やした場合、世帯人数が増えるほど負担が大きくならないか
応益分である均等割りは、加入者ごとにかかるので、世帯の所得が同じ場合、世帯人数が多いほど、負担が大きくなる。
10、子どもの均等割り減免や、多子世帯の国保税の減免に踏み出す自治体が各地ででている。(ふじみ野市は、18歳未満の子供が3人以上いる世帯を対象に、第3子以降の均等割額を全額減免)
地方税法には「特別な事情」がある場合、市町村の判断で国保税を減免できることを規定しているが。
国民健康保険税の減免については、災害等により納税者が資力をなくし、担税力が著しく低下した場合を想定している。
11、繰り入れをなくすという事は、保険税を値上げする事につながらないか。
法定外繰り入れの削減と納付金の確保を確実なものとするためには、税率を含めた負荷の見直しをする必要がある。
12、国保税がもし引き上がった場合、滞納者が増える、暮らしがますます厳しくなる、と考えるが
これまでと同様に、加入者の生活実態を勘案しながら、納税相談等、適切な対応をしてまいりたい。
13、法定外繰り入れについて。県国保運営方針では「6年間で解消することが困難な場合には、市町村の実態を踏まえた設定とします」、公式な政府答弁は「自治体で判断していただく」という事だったが、どう考えるか。
法定外繰り入れの削減にあたっては、加入者への急激な負担増にならないよう配慮する必要があり、その過程において、赤字補てんの必要が生じた場合には、繰り入れを行う事となるが、県の国保運営方針に基づき、平成35年度までに、法定外繰り入れの解消を着実に実施する必要がある。
[最後に]
「保険料を上げる」ことを最終的に判断するのは市町村。市町村は「住民といのちと健康を守る」立場と役割を持っている。県に従わなくてはならないからと、県に責任転嫁し、「保険料を上げる」ことは避けなくてはならない。
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(「桜井くるみ日本共産党熊谷市議ブログ」6月20日付より)
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